だれもいない校庭 

ちいさくきしむ椅子に再び座ると

少し汚れた黒板が見える

 

三年間 これに向き合ってきたけど

自分の為に少しはなったか?

 

先輩達はいくつも落ち

結局 今もいつものバイト

勉強しても本当に意味があるのか

 

少しずつ暗くなる教室

夕暮れ赤く染まるベランダ

もうすぐ ここともお別れ

 

うれしいはずなのに 待っていたはずなのに

今は ちっとも嬉しくない

 

制服着ていた時の方が

自由でいられたような気がする

それを脱いでしまったら

私達、 このまだわからない

大きな波に世界に ポン と投げ出されるの?

いろんな不安 別に夢もなくて 何の目標をもっていけばいいの?

 

 

私達 まだ未熟で 本当は 透明

 

 

そして大人じゃない

 

 

まだ何も卒業できていない

 

 

  

四 角


朝 僕は目覚ましで 四角いベットから とび起き 眠い目をこすりながら

カーテンを開け 四角い小さな窓から 

四角い小さな空を見上げる

四角いトーストをほおばりながら

四角い古びたアパートを出る

  四角い乗り物にゆられながら そして降り

僕らは四角い建物にすいこまれる

 

四角い机に座って 四角い光の画面を見つめ

四角いキーボードを打つ

 

突然上司に呼び出され

上司は四角い目で カンカンだ!

 

(ああ、またやってしまった…)  

 

一日をなんとかやり過ごし

僕らは四角い建物から

 吐き出されるように帰る

 

四角い乗り物から見える風景は

四角い建物ばかり 

家に着き 四角いドアを やっと開けると そこに

キミが待っていてくれた

まあるい笑顔で!


僕のつめたくなっていた四角い心が

ほっと ほどけて

まあるくなっていく気持ち


ありがとうね