雪   と勘違いをする 

視界に満ちるその風景は

なんて美しいのだろう

 

ひとひら ひとひら 舞い降りる

豊かな湧き水のように 天から絶えることなく

ひからびた地と私達に

 

生まれたての真新しい白

それは降伏の白 ちがう 戦わずして勝利を得たかのような

潔い 白

戦わずして?   それもちがう

 

足下のマグマは熱く煮えたぎっているいつ地がふるえるか私達は

不安になり

ほがらかだと思っていた天は激しい雨と風で渦をまきその被害を心配し

 天と地に挟まれたこのわずかな空間にいたっては

毎日が競争、混沌とし

精神は疲れ果て抑えきれなくなったむき出しの感情が破壊と

 

私達はそのためにまた新しく創造と建設をあくことなくする

 

そして多くの人が 

意味もなく

無差別に

あっというまに

 

                        いなくなる

                        いなくなる

                        いなくなった

       

           

             もう戦いだ 

 

 

桜が降る ひからびた地と私に

この豊かで素朴な時間

けれど今、こうしている時に 近くで遠くで何かが起こり

叫ぶ泣いている

 

美しい汚れた私達のいまの世界

世の中がどんどん加速し変化し続け 私達がすさんでいっても

 

桜 あなただけは 毎年 同じ場所で 

            同じ季節に

            ふくよかに咲いて

 

 

 

私達にこころをあたえて欲しい